鉄剤の副作用で吐き気が生じるのはなぜ?


鉄剤を飲み始めてから下痢と嘔吐で家事や育児に手が。。。
体が辛くて動けないのに旦那や職場に理解してもらえない。。。

鉄剤による副作用の症状はなかなか理解されず、「どうしてわかってくれないの。。。」なんて思うことも少なくはないはずです。

病院で処方される鉄剤は確実に鉄分を補う効果がある反面、副作用が強いことでも知られています。そんな鉄剤の副作用にはどんな症状があり、どうして起こるのでしょう?

鉄分サプリに変えたとたん「副作用がなくなって貧血の調子も良い!」という声もたくさん上がっている鉄剤の強い副作用について詳しく見ていきましょう。

このページは
  • 鉄剤の副作用について詳しく知りたい
  • 市販の鉄剤と病院の鉄剤がどう違うのか知りたい
という方におすすめのページです。

鉄剤の副作用の具体的な症例

鉄剤を服用したことによる副作用として以下のような症状が報告されています。
〜鉄剤の副作用の一例〜
吐き気・嘔吐
食欲不振
下痢・腹痛、軟便、便秘
じんましん、発疹、かゆみ
便の黒色化
ものを噛んだ時に金属の味がする

私の友人は、妊娠中に貧血症状がひどくなり鉄剤を処方されて飲み始めたところ、ものすごい吐き気をもよおしとてもつらかったそうです。また、その後しばらくしてから今度は下痢に悩まされ夜中に何度もトイレに行くこととなり寝不足になって身体がとてもつらかったといいます。

私自身も妊娠中に貧血の診断が下されて妊娠中でも飲める鉄剤が処方されました。友人の下痢とは逆にもともと便秘がちだったものが悪化してしまい、同時にマグミットという便秘薬とセルベックという胃薬を処方してもらうという経験をしました。

鉄剤の副作用は消化器系の症状が多いものですが人によってその症状は様々です。


「貧血は治したい。でも副作用でつらいのは避けたい。」というあなたは鉄分サプリの使用がおすすめです。


また、妊娠中の鉄剤の副作用に悩んでいる方で葉酸サプリを飲み続けている方は、鉄分入り葉酸サプリを使用してみるのもひとつの手ですよ。

鉄剤の副作用はなぜおこるの?

鉄剤はどうして副作用を起こすのでしょうか?

まず、一番の原因として「鉄は胃腸に吸収されにくい成分」ということが挙げられます。そのため、鉄剤を飲むことによって胃腸の粘膜が刺激を受け、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・軟便・便秘などの消火器系の副作用が一時的に出ます。

現在は薬も改良が重ねられ、副作用を最小限にするべく鉄剤の表面がコーティングされるなどしていますので以前に比べると副作用は少なくなりつつあります。それでも全体の10%程度の人には胃腸系の副作用があらわれているのが現状です。

副作用が収まることはないの?


鉄剤による副作用は「飲み続けることで身体が慣れて平気になる」という人もいれば、「胃腸が弱い人などは連日ひどい吐き気や下痢に悩まされる。」なんてこともあります。胃腸が弱い人は鉄剤を処方してもらう前に医師にその旨を伝えるようにしてください。

また、副作用を感じたらその旨を医師に伝えると、処方量や回数の変更、胃薬や便秘薬の処方、薬の種類や量の調整をして身体の負担を軽減できるような個別の対処をしてもらえます。

鉄欠乏性貧血の治療には、鉄剤を継続して、定期的に飲むことで毎日の身体への必要量を確実に摂取することがとても重要です。鉄剤の副作用は収まらないこともありますので、そういう方は副作用が比較にならないほど弱い貧血サプリの使用を検討するのもおすすめめです。

また、鉄は一回に吸収できる量に限りがある成分なので、一度飲み忘れたから次回まとめて2回分飲むなどということは全く意味がありません。1度に飲む量を増やすのは胃腸への刺激を強めて副作用の症状を大きくするだけなので絶対にやめてください。

便が黒くなるのも鉄剤の副作用?

次に、鉄剤を飲み始めた多くの方がびっくりする症状に便の黒色化があります。

正常な便の色は茶褐色ですが、鉄剤を飲み始めると便が黒くなるんですが、これは鉄剤の成分が排出されるために起こる一時的なものですのでご安心ください。

鉄剤を飲んで便が黒くなることについての詳細は「ヘム鉄サプリを飲むと黒い便がでるのはどうして?」を参照ください。

薬局と病院の鉄剤の違い|使用上の注意はある?


鉄分不足を補うために病院で処方される鉄剤以外にも医薬部外品のドラッグストア等で市販されている鉄剤が存在しますが、違いは何か気になる方が多いのではないでしょうか?

薬には法律(薬事法)で定められた違いがあります。

医薬品

病気の治療又は予防、ならびに診断に使用されることが目的とされたもの

医薬部外品

積極的に治療に用いられるものではなく、医薬品よりは緩和ではあるが人体に何らかの改善作用があるもの
医薬品と医薬部外品は、人体に及ぼす作用にその違いがあります。医薬品はより強い作用がある分、使用に関しては医師の診断の元で行わなくてはならず、その用法や用量についても定めがあります。医師の診断の上、処方箋を発行してもらい、薬剤師のいる調剤薬局にて薬をもらいます。

また医薬品の中にも医療用医薬品と、一般用医薬品があり医療用のものはその名の通り、医療に用いられるもの=医師の処方が必須のものになります。

厚生労働省に認可され、特定の病気の症状改善という明確な目的がありますが、作用が強い分副作用等のリスクもあるため、入手経路が限定されています。対して、それ以外の医薬品が一般医薬品に該当します。ドラッグストアや薬局で売っている市販の薬などがこちらです。

対して、栄養補助食品は「健康食品」という特に法律等で定義はされていないものの、日々の食事では補いきれなかったり摂りにくい成分や、栄養分を補う食品の一種になります。

薬とは違い食品というカテゴリーにはなりますが、含有される成分の健康増進作用に注目したものなので、不足した成分を補うという目的で広く流通しています。

健康維持にはバランスのよい食事が必須ですが、忙しい現代、食事が不規則になったり、外食がちになったり、若い女性に多いダイエットによる食事量の減少など食生活に関する問題が多くありますので、健康補助食品を上手に取り入れ合理的に不足分を補うのもよいでしょう。鉄剤による貧血治療が完了した後に、再発予防の意味で、身体が鉄分不足にならないように継続して健康補助食品をとっている方も多くいらっしゃいます。

病院で処方される鉄剤は、鉄分不足による貧血を改善する=貧血の薬として処方される医療医薬品に該当します。

飲みすぎに注意!副作用よりも怖い鉄中毒症!


鉄剤で気をつけなくてはならないのは副作用よりも誤って大量に鉄剤を飲んでしまうことによる中毒症状で、特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭は、お子さんの誤飲には細心の注意を払っていただかなくてはなりません。処方された鉄剤はお子さんの目や手に触れない場所でしっかりと保管してください。

過剰に摂取された鉄分による中毒症状は、摂取後6時間ほどしてから症状が出始めるとされており、最悪の場合死に至ることもありうるのです。

鉄中毒については、以下の5段階の進行経過を経ます。
1:摂取6時間以内において嘔吐、下痢、腹痛等の鉄剤の典型的な副作用にあげられる症状が出たり、痙攣、意識がなくなるなどの症状が起こることもあり、中毒症状がひどい時には心拍数が早くなり、昏睡状態に陥るケースもあります。

2:接種後6〜48時間  症状が沈静化するので、中毒症状が解消されたかのように見えます(潜伏期間)

3:接種後12〜48時間  血糖値が下がったり、痙攣、黄疸、出血、高熱、肝不全等の発作症状が起こり、低血圧が重度になることによるショック状態に陥る場合もあります

4:接種後2〜5日  肝不全となり、出血並びに血液凝固の異常によって死に至るケースもあります。肝不全、錯乱状態、昏睡状態が続くなどの症例も見られます

5:接種後2〜5日  瘢痕が原因の胃や腸の狭窄(間がすぼまって狭くなる)症状により閉塞状態となります。胃腸の瘢痕は、程度の重い腹痛、嘔吐の要因となり、重度の肝硬変が後に起こることもあります。
その症状や、進行状況には個人差がかなりありますが、初期段階の6時間以内時点での症状が重症化している場合のみ、後半の症状が発症していきます。言い換えると、接種後6時間以内に中毒症状が表れなかった場合は重症化する可能性が低くなります。

初期段階で昏睡状態に陥ったり、ショック症状が続いてしまった場合には、命の危険が伴います。致死率は10%ほどですので異変に気がついたら早急に医師の診断をあおいでください。

以外と見落としがちですが、妊婦用の総合ビタミンサプリには、妊婦が胎児に栄養をとられがちで鉄分不足に陥りやすい状況から鉄分も同時に含有されているものが多くあります。幼児にとっては有毒となり、幼児の鉄中毒致死原因として多く報告がありますので、注意が必要です。

鉄剤の副作用のまとめ


鉄剤が処方されるのは、血液検査において血中のヘモグロビン値が規定量よりも低い「鉄欠乏性貧血」と診断された場合です。鉄欠乏性貧血になると身体には様々な不調が生じます。

投薬開始後は定期的に血液検査によって体内の貯蔵鉄(フェリチン)の数値の測定をし、正常値になるまで継続して鉄剤を飲み続けます。

貧血の症状が解消されたからといって独断で鉄剤を飲むのをやめてしまっては、せっかく回復しつつあった貯蔵鉄の状態がまた元の欠乏状態に戻ってしまう可能性もありますので注意が必要です。貯蔵鉄が正常化するには、大体半年から1年程度要すると言われているのでちょっと長い期間となりますが継続して飲み続けて再発を防ぐことが大切です。

鉄剤が体質的に合わず消化器系の副作用が強く出てしまい、経口投与が難しい場合、出血がひどく早急に鉄分補給をしなくてはならない場合等には医師の判断で注射にて鉄分が補給されることもありますが、飲み薬と異なり、成分がダイレクトに身体に入ることによって注射すればするほど鉄分が体内にたまる鉄過剰の状態が起こり、心臓や肝臓に鉄分が過剰にたまり副作用を起こす危険が強いことから、経口薬の処方が一般的です


鉄剤の特徴や副作用についてしっかり理解しつつ、万が一その症状が自分にあらわれた場合には主治医に相談し自分の身体に負担がかからないような処方をしてもらってください。

貧血症状は、とてもつらいですがそれを治すために飲んでいるはずの薬の副作用がつらいのでは2重に苦しむこととなってしまいますから自分にあった鉄剤とのつきあい方を習得して欲しいと思います。